Entertainment
 

グリプス戦役

出典: GUNDAM Wiki

宇宙世紀 > グリプス戦役

グリプス戦役(-せんえき)は、アニメ機動戦士Ζガンダム』において描かれた架空の戦争・連邦軍同士による内乱である。連邦内部の軍閥であるエゥーゴティターンズの戦いを軸に、終盤アクシズを交えて三つ巴で戦われた。「グリプス戦争」とも呼ばれる。

Template:ネタバレ

目次

[編集] 開戦までの経緯

[編集] ティターンズ結成

一年戦争は終結したが、ジオン公国に所属していた軍事勢力の一部は降伏することなく、各地で地球連邦軍と軍事衝突を繰り返していた。また一年戦争を契機として地球連邦政府スペースコロニーに住む人間、いわゆるスペースノイドに対しての警戒を強め、政治的・経済的にも厳しい姿勢を取り続けていた。やがて、デラーズ紛争を契機として地球連邦軍内部にエリート部隊「ティターンズ」がジャミトフ・ハイマンにより結成される。これはスペースノイドに排他的な地球出身者(アースノイド)のみで構成された組織であった。

ティターンズは「ジオンの残党狩り」を強く主張、連邦内での発言力を次第に強めていき、反政府的とみなしたスペースノイドを強権的に弾圧してくことになる。

[編集] 30バンチ事件

宇宙世紀0085年7月31日、サイド1・30バンチコロニーの住民が反地球連邦政府デモを決起すると、連邦政府にデモ鎮圧を依頼されたティターンズの司令官バスク・オムは、使用が禁止されていた毒ガス(G3)をコロニー内に注入し、1500万人もの全住民を虐殺した。

事件の真相はティターンズが報道規制を行ったため極秘扱いとなり、激発的な伝染病と公表されたが、この事件を受けて連邦内で地球連邦軍准将ブレックス・フォーラを中心に反連邦政府組織エゥーゴが結成され、以後エゥーゴ対ティターンズの様相が強まっていった。

なお、この事件は『Zガンダム』の作中において過去の出来事となっており、テレビ版ではティターンズからエゥーゴに投降し、保護観察の身であったエマ・シーンレコア・ロンドが話した際に初めて語られた。劇場版『機動戦士Ζガンダム 星を継ぐ者』では、アーガマの面々が30バンチコロニーに立ち寄るエピソード自体が削除され、レコア・ロンドがエマ・シーンに事件の一部始終を説明するのみにとどまり、本放送当時には存在しなかったノートパソコンで30バンチの映像を見せるという形に変更されている。

[編集] グリプス戦役開戦

[編集] ガンダムMk-II奪取

エゥーゴは、ティターンズが新型MSガンダムMk-IIを開発したとの情報を得た。それに基づき0087年3月2日、サイド7の居住用コロニー・グリーンノア1にクワトロ・バジーナアポリー・ベイロベルトの3名を侵入させる。偶然その場に居合わせた民間人の少年カミーユ・ビダンの協力の下ガンダムMk-IIを強奪。結果エゥーゴは戦力増強とティターンズのMS技術吸収をはかり、さらには一年戦争における反攻のシンボルとされていたガンダムタイプのMSを奪う事で、自分達の活動の正当性をアピール、活動を次なるステップに移す狼煙とした。

この事件を契機に戦火は一気に拡大、ここにグリプス戦役の幕が上がった。

[編集] ジャブロー侵攻

月で地球連邦軍本部ジャブロー侵攻の準備を進めるエゥーゴの旗艦アーガマに、ティターンズが攻撃を仕掛ける。アーガマは停留していた月を脱出し僚友艦隊との集結空域へと向かう。その途中、正体不明のMAメッサーラ)の襲撃を受けるシャトル「テンプテーション」を発見し、MAを排除しシャトルを救出する。回収したそのシャトルの機長は元ホワイトベース艦長のブライト・ノアであった。彼はエゥーゴに迎えられ、アーガマの艦長となる。

宇宙世紀0087年5月11日、エゥーゴのMS部隊は大気圏突入を開始する。その際、再びティターンズのMS部隊による強襲が行なわれるが、降下作戦は成功しエゥーゴ部隊はジャブロー内へと侵入する。しかし連邦軍本部は移転を済ませていたため、既にジャブローはもぬけの殻であり、また地下に一年戦争時の自爆用核爆弾がセットされていた。ジャブローは守備部隊もろとも核爆発で消滅するが、カミーユら侵攻部隊は間一髪で脱出に成功する。

[編集] アムロ・レイ再び

ジャブローから撤退中のエゥーゴMS部隊はカラバに参加しているハヤト・コバヤシと接触後、シャイアンでの軟禁状態からカツ・コバヤシと共に脱出したアムロ・レイとも合流する。カラバの輸送機アウドムラはカミーユ達を宇宙に帰還させるため、シャトル打ち上げ基地のあるヒッコリーへ到着するが、ティターンズに協力する地球連邦軍の急襲を受ける。宇宙に帰還予定だったカミーユのガンダムMk-IIは戦闘に加わり、クワトロとカツだけを乗せシャトルは宇宙に向け発進する。

[編集] ホンコンシティ襲撃

宇宙世紀0087年6月29日、ホンコンへ補給に訪れたカミーユ、アムロらを追って、日本のムラサメ研究所から派遣された強化人間のフォウ・ムラサメが搭乗する巨大MAサイコガンダムが到着する。フォウによる2度の強襲をかわしたガンダムMk-IIは敵輸送機スードリからブースターを奪い、再び宇宙へ上がりアーガマへ帰還する。

[編集] Ζガンダム配備

ティターンズと手を組んだ木星帰りの地球連邦軍大尉パプテマス・シロッコは、戦艦ドゴス・ギアの艦長となり、新型可変MSガブスレイでアーガマを強襲。迎撃に出たカミーユらは窮地に陥るが、完成したエゥーゴの新型MSΖガンダムが到着、ガブスレイを撃退する。

[編集] アポロ作戦

宇宙世紀0087年8月10日、ティターンズは月面のフォン・ブラウン市を制圧するアポロ作戦を開始。ドゴス・ギアはフォン・ブラウン市の制空圏に入り、エゥーゴが手を引かなければ都市を全面攻撃すると脅迫する。このため一時フォン・ブラウンはティターンズによって占領される。その後エゥーゴはフォン・ブラウン市の発電施設を占拠し、ティターンズは撤退する。

[編集] ブレックス准将暗殺

宇宙世紀0087年8月17日、連邦議会に出席するため地球へと赴いたブレックス准将は、ダカールでティターンズの刺客の手にかかる。息を引き取る直前、クワトロ・バジーナをエゥーゴの代表に指名する。

[編集] 毒ガス作戦

宇宙世紀0087年8月21日、ティターンズはエゥーゴに協力的なコロニーを見せしめとするべく画策、サイド2・25バンチコロニーにG3ガスを注入するための作戦を実行に移す。これを察知したアーガマとラーディッシュはサイド2に急行、ガスボンベを破壊し作戦は失敗に終わる。

[編集] グラナダへのコロニー落とし

宇宙世紀0087年8月24日、サイド4の無人コロニーが月に向かって移動を始めたのを確認したエゥーゴは、落下するコロニーの軌道をアーガマやラーディッシュの主砲で変えようとする。最終的にガンダムMk-IIによってコロニーの核パルスエンジンを作動させることで軌道の変更に成功、グラナダへの直撃は回避された。

[編集] ティターンズ、アクシズと密約

エゥーゴはアクシズと接触を計る事を決定。アーガマは、アクシズの旗艦グワダンミネバ・ラオ・ザビと謁見するものの交渉は決裂。アーガマのクルー達は監禁されてしまう。かろうじて脱出には成功するものの、その頃ティターンズもまたアクシズと手を組むべく交渉を計り、ここにティターンズ・アクシズの同盟が築かれた。

[編集] キリマンジャロ襲撃

宇宙世紀0087年11月2日、ラビアンローズで修理を終えたアーガマは、カラバの支援のため地球連邦軍(実質ティターンズ占有)基地キリマンジャロへの衛星軌道からの攻撃を決行。アーガマ隊は衛星軌道でハンブラビの攻撃を受け、百式は制御不能となり、Ζガンダムとともに地球への降下(落下)を余儀なくされる。キリマンジャロ基地においてサイコガンダムの攻撃を受けるものの、アムロ・レイらカラバ部隊の協力の下キリマンジャロ基地を破壊する。

[編集] ダカール演説

宇宙世紀0087年11月16日、カミーユとクワトロ大尉を乗せたカラバのアウドムラはアフリカ西海岸のダカールへ向かい、ここで開催中だった連邦議会を占拠することに成功する。その目的は、クワトロの演説を全世界へTV中継することであった。ここでクワトロは、自分がジオン・ズム・ダイクンの遺児キャスバル・レム・ダイクンであり、シャア・アズナブルであったことを明かし、エゥーゴの目的とティターンズの残虐・非道性を世界中に訴える。ティターンズはこれを妨害すべく通信施設の破壊に動くが、意図とは逆にその模様はシャアの演説と共に放送され、ティターンズへの反感を増加させる結果となった。

この演説は非常に効果をあげたらしく、連邦やティターンズの中にはエゥーゴに身を投じる者が増えた[1]

情報操作などによりテロリスト扱いされていたエゥーゴと、連邦軍で圧倒的な主流派であったティターンズの立場とを入れ替える、大きなターニングポイントとなった。カミーユとシャアはカラバの援護により宇宙に帰還する。

[編集] コロニーレーザー完成

ティターンズがグリプス2をコロニーレーザーに改造中との情報がアーガマに届く。カミーユ達は偵察に向かうが、宇宙世紀0087年12月7日、ティターンズはコロニーレーザーをサイド2・18バンチに向け発射し住民は全員死亡。

[編集] 再び毒ガス攻撃

宇宙世紀0087年12月14日、ティターンズがサイド2・21バンチに再び毒ガス攻撃を決行。緊急通信を傍受したアーガマは現場に向かうが既に毒ガスが注入され、住民は全員死亡した。

[編集] エゥーゴ、アクシズと手を結ぶ

ティターンズのコロニーレーザーの照準がグラナダに向けられたため、エゥーゴはアクシズと手を組み、この事態の収拾に動く。ハマーン・カーンは、クワトロ・バジーナことかつてのシャア・アズナブルが頭を下げたことで、これを了解。エゥーゴのMS隊がティターンズを引き付けている間に、アクシズは誤射に見せかけてコロニーレーザーの核パルスエンジンを破壊。コロニーレーザーはその機能を停止する。

エゥーゴと手を組んだ様に見せたハマーンだが、ティターンズのジャミトフ大将とも接触を計る。しかしジャミトフとの交渉は決裂、ティターンズと交戦状態に入ったアクシズはアーガマに援護を要請することとなる。

[編集] ゼダンの門、崩壊

ジャミトフとの交渉が決裂したハマーンは、小惑星アクシズ本体をゼダンの門に衝突させる。ティターンズの艦隊は衝突間際に脱出するが、本拠地を失う。さらにアクシズは、手薄になったグリプス2に部隊を送り制圧することに成功した。ティターンズとエゥーゴは、この戦いで戦力を消耗してしまう。

[編集] ジャミトフ暗殺

ジャミトフはシロッコを交えアクシズ旗艦グワダンでハマーン、シャアと会見する。そこにサラ・ザビアロフの暴走でグワダンが破損。混乱する艦内でその本性を現したシロッコは、ジャミトフを暗殺。その罪をハマーンに着せ、「報復」を叫ぶことでティターンズの実権を握る。それに対しシロッコの真意を知るバスクは反旗を翻すが、逆に総旗艦ドゴス・ギアごと倒されてしまう。

[編集] メールシュトローム作戦

宇宙世紀0088年2月2日、エゥーゴはアクシズの手中にあるグリプス2のコロニーレーザーを奪取するため、コロニーレーザーを渦のように取り囲み奪取するメールシュトローム作戦を発動。作戦は成功し、コロニーレーザーはエゥーゴの手に渡った。

[編集] アクシズ、グラナダへ落下

アクシズは、コロニーレーザーを奪われた報復として、自身らの象徴でもある小惑星アクシズをグラナダへと落下させようとするが、皮肉にもそのコロニーレーザーによりアクシズの軌道が変わり失敗に終わる。

[編集] ティターンズ壊滅

宇宙世紀0088年2月20日、コロニーレーザー宙域のエゥーゴ艦隊はティターンズとアクシズの総攻撃を受ける。僚艦ラーディッシュが撃沈される中、アーガマ艦長ブライト・ノアはコロニーレーザーによる敵艦隊の一挙殲滅を画策する。コロニーレーザーを発射させまいとハマーン、シロッコは各々自らのMS(キュベレイジ・O)で妨害するものの、カミーユ、シャアらの活躍によりエゥーゴは発射準備が整うまでコロニーレーザーを守り切ることに成功。

宇宙世紀0088年2月22日、コロニーレーザーが発射されティターンズ艦隊は壊滅的な打撃を受けた。その一方、戦いがまだ続く事を察知し、主要な艦を撤退させていたアクシズ艦隊の被害は最小限にとどまった。シロッコは戦力の回復を図って撤退しようとしたが、死者の魂を取り込み超常の能力を発揮したΖガンダムによりジ・Oは撃破され、シロッコは戦死した。最終的に、エゥーゴの勝利でこの戦役は終結した。

[編集] 終戦

三つ巴の決戦に勝利したエゥーゴではあったが、最終決戦においてカミーユやクワトロ、エマ・シーン中尉をはじめとする優秀なパイロットを多数喪失する。また、コロニーレーザーも破壊され、戦力の過半数を失うなど[2]損害は大きく、戦後の主導権を確立するには至らなかった。

最終決戦において戦力の大半を温存したアクシズが、まさに漁夫の利を得る形で主導権を握り[3]、戦いは第一次ネオ・ジオン抗争へと移っていくこととなる。

[編集] 劇場版『Ζ』での変更点

劇場版『機動戦士Ζガンダム』では、アポロ作戦、毒ガス作戦、キリマンジャロ作戦、ダカール演説、グラナダへのアクシズ落下が省略、または無かったことになっている。

また最終決戦以後、エゥーゴは戦力の過半数を喪失するものの、ニュータイプのカミーユは健在であり、コロニーレーザーは破壊された描写がないため戦後の主導権を確立した模様である。そしてアクシズはグリプス戦役以後、アステロイドベルトに引き返している。

[編集] 脚注

  1. ダカール防衛部隊のアジス・アジバがその例。
  2. エゥーゴ、ティターンズ共に4~5隻程度の艦船は生き残った模様である。
  3. ただし、アクシズも戦役の最終決戦時における百式のメガバズーカランチャーの攻撃で先陣を切っていた貴重な熟練将兵を多数喪失している。このため、第一次ネオ・ジオン抗争ではマシュマー・セログレミー・トトなどの経験不足な若手将校を第一線の指揮官に任命せざるを得ないほどの人材不足を生じてしまっている。

[編集] 関連項目